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知っ得!陶器の金継ぎのやり方とコツ

こんにちは!東京金継ぎ教室 つぐつぐの講師、Yukiです!

今回は、多くの金継ぎキット手順書にはのっていない、また本にもきちんと書かれていないことの多い、

陶器の金継ぎのやり方とコツをご紹介させていただきます!

先に知っておくことで、金継ぎで失敗しない予防策になりますので、是非お役立てください!!!

割れた陶器の金継ぎのやり方とコツ

割れた陶器の接着には、多くの場合「麦漆(むぎうるし)」という自然の接着剤を使用します。

この麦漆を作る材料は、小麦粉(薄力粉を使うことが多いです)+水+生漆です。

最初に小麦粉と水を練って、そこに生漆を足してさらに練り、チューイングガムのようなビヨーンとした粘り気のある接着剤(麦漆)を作ります。

(↑チューイングガムみたいな麦漆)

これを割れの両面に塗って、くっつけるわけです。

麦漆による接着のコツには、3つあります。

1. 割れた面に油分・塩分などの汚れが全くないように洗っておく!

漆は、ほんのちょっとした油分や塩分、ススなどの汚れがあると、本当に固まりにくくなります!

洗うの面倒、と、割れ面が黄色いまま持って来られる方もいらっしゃいますが

せっかく金継ぎ修理した部分がまた取れてしまわないよう、

これでもか!というくらいきれいに洗ってから接着しましょう!

2. 割れた面のザラザラ感を残しておく

割れた面どうしをくっつけたときに、歯車のように噛み合って、接着力を強くしたいです。

そのため、割れた面は研いだりしないで、できるだけザラザラで凸凹している状態のままにしておいてください!

3. 絶対にズレないように接着する!

割れがズレてくっついてしまったら…、試合終了。

その後どんなに頑張って金継ぎしても、ズレた器ほど面白くないものはない。。。

そのため、接着する時には、絶対に段差がないようしっかりくっつけて、

絶対に外れないようにしっかりとマスキングテープまたはセロテープで固定しましょう!

割れ面を、竹へらの先やカッターの先などで触って、段差がないのを確かめるのも大切です。

目で見ただけではわからないので、テープの上から触ったりなどして

触感でも確認しましょう。(テープの上から触らないと、はみ出た麦漆が手袋についてしまいます)

4. 接着した器の置き方

麦漆で接着した器は最低1週間、漆風呂と呼ばれる、特定の温度と湿度を保った箱の中で保管し、乾かします。

その時の、器を置く角度が、実は大切です。

重力で、接着面が下に押し付けられるような角度で置くと、ベスト!!!

読んでもよくイメージできないと思いますので、東京金継ぎ教室 つぐつぐの生徒さんの

接着中の割れた器たちの置き方をご覧ください!

重力を利用してよりくっつくように置く!が目で見て理解できましたでしょうか!?

これを実現させるために、器によっては、

メラミンスポンジを切ってちょうど立てられるような差し込み口をつくったり

何かに立てて置いてテープで固定しておいたり

涙ぐましい努力があります(笑)

特にレンゲや鳥のクチバシ(?!) など、細くて長い部分が折れた金継ぎは

ちょっと負荷をかけるとすぐまた折れてしまうので

とっても慎重に行ってください(`・ω・´)

5. バラバラに割れた器は、1つずつ接着するのか、一気に接着するのか?

よくある質問に、「バラバラに割れた器は、1つずつ接着するの?一気に接着するの?」があります。

このやり方は職人さんによっても、本によっても異なっているので、正解はないと思います。

そして、それぞれに一長一短があります。

1つずつ接着しては固めて…を繰り返すメリットとしては

1点に集中できるので、ゴム手袋に麦漆がつきにくこと!

初心者には、本当はオススメかもしれません。

バラバラの器を全部一気にくっつけようとすると、いろんな箇所に麦漆がついていて、不注意で手袋について、それが器の他のところについて…気づいたら器の至る所が漆のシミだらけになります。

それでも、釉薬のかかったつるつるした表面の器でしたら、麦漆が乾いた後にカッターなどでシミを取ることができますが

釉薬のかかっていないザラザラした器やマットな表面の器は、一度ついたシミはもう取れないことがあります。(シミがついてすぐにエタノールで拭き取ると、汚れを取れることがあります)

しかし、短所としては、とても時間がかかります。

金継ぎ教室で1つずつ接着すると、分割数の分だけお教室に通わなくてはならなくなり、費用と時間がかさみます。

また、どの部分からでもいいから、くっつけれていけばいいのかというと、そうではありません。

「抜け勾配」というのを意識して、正しい順序で接着していく必要があります。

どういうことかというと、割れ方によっては、先にAとBとCのパーツをくっつけてしまうことで、

後でDのパーツが入らなくなった!!!という形があるからです。

後の破片も入るような順番でくっつけていきましょう。

その点、バラバラの器を1気にくっつけると、抜け勾配で失敗する心配ありません。

また、時間と費用も抑えられます。

しかし、あまりにも何分割にもなっている器だと、

いろんなところがグラグラして、結局どこかがズレたままくっついて固まってしまった…ということも起こりやすいです。

また、漆風呂の中で1週間固める時に、重力を意識した置き方も難しいです。

絶対にずれないようにしっかりとテープで固定することが必要です。

(↑21分割。さすがに一気にくっつけるのは無理でした)

欠けた陶器の金継ぎのやり方とコツ

なんだか割れた陶器のコツにかなり熱がこもってたくさん書いてしまいましたが、欠けはもう少し落ち着いてできます。

欠けた陶器の金継ぎには、「刻苧(こくそ)」と呼ばれる自然の材料で作ったパテを作って埋めていくことが多いです。

刻苧は、先程の接着で作る「麦漆」に、木粉や砥粉を加えて作ります。

職人さんによっては、地粉や、刻苧綿など、いろいろなものを加えることもあります。

(↑刻苧)

この刻苧を使った欠けの埋めで最も大切なのは・・・

刻苧を一度に盛りすぎない!!

刻苧は、一度にすごく薄く埋めて、1日以上おいて乾かしてから、また薄く埋める、、、を何度も繰り返してください!

一度に厚く埋めると、表面だけ乾いて中が生乾きになり、一生中が乾かないことがあります。

どれぐらい薄くかというと、0.5mm – 1mmくらいです!すごーく薄くです!!

1mmを超えた厚さで埋めると、1週間、1ヶ月かかることもあります。

0.5mm – 1mmの薄さを守れば、1日おいたらまた埋めることができて、結果的に早く埋まりきります。

金継ぎは、焦る心を落ち着けて、ゆっくりやりましょう(๑˃̵ᴗ˂̵)و.

欠けが埋まり切ったら、これ以上ないくらい平らに研ぐ

欠けの金継ぎが美しいのは、真っ平らな面がピカーっと光り輝くから!

しかし、この下地がうねうね・ボコボコだと、金粉を最後に蒔いた時に、その凸凹が丸見えになります。

それを防ぐために大切なのが、研ぎ。

刻苧はできれば毎回薄く平らに埋めていって欲しいですが、

最終的に欠けが埋まり切った時に平らになるように、

サンドペーパーで研ぎまくります!!!

これでもかっていうくらい、ひとつのシワもないくらいつるつるに研ぎます!

ここで頑張っておくと、後の仕上がりが違います。

下地がきれいだと、化粧しても何してもきれいなのは、お肌も金継ぎも同じですね(笑)

最後に

少々マニアックな内容になってしまいましたが、

金継ぎを少しやったことのある人には、「あー、なるほどねー!」と思ってもらえるかと思います。

また、これから金継ぎをやろうかなと、気になってくださっている方にも

工程を少しイメージしてもらえる内容になっていたら嬉しいです^^

金継ぎのやり方はさまざまで、職人さんによっても違います。

そのため、この記事に書かせていただいた方法は、スタンダードなやり方ではあるものの

あくまで一例であることをご了承くださいませ。

皆様にとって、金継ぎが人生の一つの楽しみになりますように(๑˃̵ᴗ˂̵)و.

金継ぎキットがあれば、初心者もすぐに金継ぎが始められます。

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金継ぎ・金継ぎキット専門店「つぐつぐ」とは?

つぐキットを販売する店名を

金継ぎ・金継ぎキット専門店「つぐつぐ」
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という名前に決定いたしました!!!

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今後も、一人でも多くの方に満足していただけるよう、

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一つずつ頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします^^

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以上、Yukiでした♪

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