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本漆で金継ぎできない器3選

こんにちは!Yukiです!

気合と時間があれば、どんなにバラバラに割れてしまった器でも修復できます〜!!

といつも発信している私ですが、

実は、ちょっと厄介なものもあるんです。。。

今日は、私たちが受ける質問の中でも最も多い、

本漆で金継ぎできない器の種類についてご紹介させていただきます!

①土鍋

一番聞いてびっくりされることが多いのが、土鍋。

漆で金継ぎ修理した箇所は、直火にかけることができないためです。

「蓋もだめなの?」…はい、蓋もだめです。

なんで????(´·ω·`)

土鍋を使って料理されたことのある方はわかるかもしれませんが

ぐつぐつ沸騰させて料理すると、蓋まで温度が伝わって、触れないほどかなり熱くなりますよね。

これが、漆の耐熱温度を超えているため、蓋の金継ぎ修理後は使用できないのです。

正確には、金継ぎできるけど、今までのように直火にかけて鍋料理に使用できなくなるので

オブジェとして鑑賞したり、他の物入れとしてご使用になっていただくのは、大丈夫です(๑˃̵ᴗ˂̵)و.

なお、蓋だけ割れてしまって、金継ぎしても使えないし、もう土鍋全部捨てようか…と思うのはまだ早い!!!

土鍋は蓋だけ別売りしていることも多いので

もしこれからも土鍋を使い続けたい場合は、蓋だけ新しいものを購入されてもよいかもしれません^^

全部捨ててしまうより、蓋だけ交換する方がエコですね♪

土鍋本体と蓋であえて違う色にするのも、私たちの服のファッションと同じで、クリエイティブでオシャレだと思います(*´ω`*)

②花瓶

花瓶の金継ぎしてるやん?!

とさっそく突っ込まれた方もいるかと思います。

陶器であれば金継ぎできるのですが

漆で修復した箇所は長時間(1週間くらいなかぁ)水に浸しておくことができないので

花瓶の底を金継ぎした場合、長時間水をいれておくことができません!!

ですので、ドライフラワーをさしたり、水を入れないで1輪のお花をさしたりして

違った楽しみ方をしていただければと思います。

水が浸からない、花瓶の口の部分の破損でしたら、金継ぎ後もご使用になれます!

植木鉢はどうでしょう?

これも同じ原理で、長時間水に浸したり、水でジメジメした土を入れておくことができないです。

しかし、一括りで植木鉢といっても、育てる植物の種類によっていろいろあります。

室内で育てる多肉系や蘭鉢や観葉植物系などは、霧吹きで水を上げる場合が多く

あまり水を含ませる物では無いので修理可能のものが多いです。(全部ではないですが。)

また、鉢カバーは金継ぎ修理可能ですが

野ざらしで使う植木鉢は、難しいでしょう。

ですので、植える植物は何なのか?外で野ざらしで使うのか、家で少し霧吹きで湿らす程度のものなのか

確認が必要です。

乾燥系の植物は乾き気味なので、金継ぎ後も植物を植えて使用可能です\٩( ‘ω’ )و /

睡蓮ばち以外の鉢系に植える植物は、根腐れを起こさないよう、乾燥気味に育てるそうです。

植木鉢、そして植物の育て方は、奥が深いですね^^

(↑この植木鉢金継ぎ情報は、私がよくお世話になっている金継ぎ職人さんから教えていただいた情報です๑˃̵ᴗ˂̵)و.

ご自身でもたくさん植物を育てられていて、普通の人は知らない、かなり詳しい情報をいただけました!)

③ワイングラスのステム

そもそも漆でガラス金継ぎができる職人さんは少ないですが

ガラス金継ぎを受け付けていたとして

どうしてもできないのが、このワイングラスのステムの接着!!!

どう見ても、接着する断面が、小さすぎます…

接着できたとしても、ワインなど注いで使用中に万が一また折れてしまったら

とっても危険です!!!

ですので、このような細いガラスの金継ぎは、おすすめしません。

同様に陶器でも、細長いものの金継ぎはかなり折れやすく、最新の注意が必要で

耐久性を少しでも上げるために、下記の写真のような巻きものをすることがあります^^

(↑れんげ)

指輪みたいでとってもキレイ!

ではガラスのワイングラスのステムが折れてしまったら、どうすればいいの?

合成接着剤でくっつけるしかないかもしれません。。。

そして、たとえ合成接着剤でくっつけても、

今まで通りガンガン使うのは控えた方が良いです。

合成接着剤でも、強めに力を加えたら、折れます(((´・Д・`)))

番外編:一般的に金継ぎできない素材

漆を使った金継ぎは元来、陶器・陶磁器・磁器などの土・石もの器を修復する技術です。

そのため通常、ガラス・木・金属には金継ぎは行いません。

しかし、職人さんたちの様々な試みのおかげで、

最近では「ガラス金継ぎ」を行う職人さんも出てきました^^

(しかし、通常の漆ではなく、「ガラス用漆」とよばれる、少し合成樹脂が入った特殊な漆を用います。食品安全法は適合のものを、一部の漆やさんが販売しています◎)

また、木の金継ぎについてですが

漆は昔から木の器に塗って「漆器」として使われきましたので

金継ぎできないわけではありません!!

陶器の金継ぎとほぼ同様で金継ぎできますが、

それはもう金継ぎというより、漆器の漆の塗り直しや、「拭き漆(ふきうるし)」のような、

別のカテゴリー、呼び名かなと思っています。(○´ω`○)

金継ぎの認知度があがってきたからか、最近よく

「木のお茶碗を金継ぎで修理して欲しい!」というご要望も、ちらほら聞くことが増えました^^

金継ぎできない器3選、まとめ

金継ぎは、室町時代に発祥した、割れた陶器を美しくお直しする、日本の伝統技術です。

残念ながら、全てのお品物を、修理後に、今までと同じように使用することはできないですが

それでも、そういった特殊な器は

金継ぎで美しく蘇った器を、観賞用としてや、別の用途で愛でることで

新たな楽しみ方を発見していただければと思います!!!

私たちも、「それは金継ぎできません」とただ単に修理をお断りするのではなく

大切にしてきたお品物ですから、なんとか末長く使っていただけるよう、代案もお示しするように心がけています^^

そして、基本的には、気合と時間さえあれば、どんな陶器でも金継ぎできますので

迷われたら是非、私どもか、全国の金継ぎ職人さんに

修理が可能かお問い合わせしてみてください!

あなたの大切な器の第二の人生が開かれることを、心より応援しています(๑˃̵ᴗ˂̵)و.

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