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金継ぎ教室で習う理由を、50〜60代の生徒さん5人に聞いてみた

金継ぎで日本一(日本一になったら必然的に世界一)の事業をつくるため、金継ぎ教室に通っている生徒の方々に「なぜ金継ぎを習っているのか?」の質問をしています。

教室では金継ぎを2時間くらい黙々とやってるので、皆さん快く、深く考えて教えてくださいます (^-^) さらに会話を通して仲良くなれて一石二鳥◎

以下、これまでの質問を通して得た、貴重な金継ぎの魅力をご紹介させていただきます。

自分で自分の大切な器を直せる喜び

たくさんの生徒さんに10年以上教えててきた金継ぎ教室の先生がまず最初に口にしたのはこれ。これに尽きるのではないかと。

自分で直せる喜び。DIYと通ずるかもしれません。

生徒さんの中には「家の壁も直しています」など、 DIYが好きな方が多いようです。(女性ですが)

金継ぎ修理屋さんに依頼した方が早くないですか?と聞いたところ、「そこまでのモノじゃないし…」「プロに頼むと高いし…」

でも、金継ぎ教室も1レッスン5000円くらいで、9工程あるので、実際、単純計算で4万5千円くらいするのですが…^^;

また金継ぎ教室に通うことで、自分の大切な器が直ると分かったら、早く直そうと急ぐ気持ちがなくなったとのこと。

さらに、自分のものが修復できた後も、お友達の欠けた器を直してあげることで、周囲のうれしそうな顔を見れることも、通い続ける理由のようです。

人生で初めて、自分で最初から最後までできた

60歳を超え、定年退職をされた男性。

金継ぎ教室は女性が多く、男性は珍しいため、なぜ習い始めたのか聞いてみました。

「妻が、ずっと家にいるなといいまして…。金継ぎにでも行って来いと勧められて始めたんです」

最初は特に興味はなかったようなのですが、通っていくうちに、人生で初めて、一つのことを最初から最後までこなした喜びを味わったそうです。

ちなみにこの男性は昔は製造業界で勤務されていたとのこと。

今はどの会社でも効率性が求められて分業ですよね。一つのことを最初から最後までする経験って、なかなかないのかもしれません。

日本の伝統文化に触れられる

60代女性からの一言。 日本人でも伝統文化に触れる機会は少ないと思います。

金継ぎが昨今ブームなのは、外国人から認められたことが大きく影響しているのでは?とのご意見も。

確かに、海外では日本食やアニメなど、日本の文化が高く評価されてきていますが、金継ぎも日本を訪れた外国人の目に留まり、その美しさと日本人の心に魅了される外国人が増えています。

また日本の伝統技法である金継ぎは、世界の芸術家にも少しずつ広まっているようです。

日本の金継ぎ教室には外国人からの参加要望が増えているとのこと。ただし、本来9工程ある金継ぎを、数日間日本に旅行しにきた外国人に満足いくよう体験してもらうのは難しく、言葉の壁もあるようです。

器が好きでたくさん家にあるけど、よく壊れる

陶器・磁器が好きで、集めていらっしゃる方。

欠けたり割れたりヒビが入った器が、家にたくさんあるそうです。(一人暮らしの私はあんまりないんですが…)

特にお子さんがいる家庭では、よく割れるようで、子供にはプラスチックの割れないお皿を使っている家庭も多いと思います。

金継ぎで美しく修復できると分かれば、高くても良いものを買うことができて、脱プラ(脱ブラスチック)でEcoな暮らしができるのではないでしょうか。

モノが増えない

陶芸なんかだと、下手なものを作ってどんどん増えていってしまう。

でも金継ぎは、自分が使っていた大切なモノを修復し、姿を変えて長く使えるようになるので、モノが増えるわけであありません。

ミニマリズムの精神に通ずるものがあるのかもしれません。

現代版の金継ぎがある

伝統的な金継ぎ手法を習う方も多いですが、金継ぎ教室によっては、簡易版の新しい金継ぎ手法を教えているところがあります。

簡易版金継ぎは、シンプルで、伝統的な方法より早くできるため、一部の生徒さんには受けているようです。

これに関しては真っ向から対立する意見があり、伝統的な金継ぎを習っている生徒さんからは、「簡易版を習って修復したけれどもすぐに以前修復したところが取れてしまったので伝統版を習っている」などの声もあります。

またかぶれないと言われる新漆(しんうるし)ですが、食品への安全性が立証されていないので、まだ食器には使えないのでは?とも言われています。

いずれにせよ、なかなか始めるのに抵抗があった日本の伝統技法・金継ぎを、気軽にできる選択肢ができたことに意味があるのかと思います。

まとめ

金継ぎに通い始める理由には様々なものがありましたが、皆さん一貫してモノを大切にする心や、日常を忘れて集中して取り組むことに喜びを感じているのでは、と思いました。

このような喜びを一言で表すと、「Self-Efficacy(自己効力感)」と言えるのではないでしょうか。

自分には何もできないと無力さを感じる日々、忙しくてただただ毎日が過ぎていく中、「きちんと生きる」ことの喜びと、自己効力感を味わって癒されるような、そんなサービスを提供できればな、と思いました。

乞うご期待!!

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